【第158話】私の夢は

『茶屋の長椅子に座りたい』
長年プレイしているがフィールドの茶屋の屋根は登ったことは
あるが長椅子には座ったことが未だにない。
いつかは長椅子に座ってみたいと夢見たまま今日に至る
長椅子に座る手順はこうである
①茶屋裏の崖に登り、そこから茶屋の屋根に飛び乗る
②茶屋の屋根をつたい、屋根から飛び降り長椅子に着地する
長椅子に座れる茶屋は3か所あり、比較的に簡単な越後の
上野よりの関所近くにある茶屋を選び2アカを連れて向かった
茶屋に到着すると、徒党隊列を強行に切り替え
まずは2アカの陰陽で挑戦を開始した
屋根に降り立つ事は簡単ではあったが、
最大の難関は屋根から飛び降りての長椅子への着地。
長椅子への着地が難しい
思っていた以上に長椅子の面積は狭く、着地のズレも生じ、
飛び降りる際の跳躍力の加減も必要であり、着地失敗を繰り返す
私「意外と難しいですね。作戦を立てて飛び降りましょう」
作戦名「着地ポイント確認作戦」

「着地ポイント確認作戦」が功を制し座る事ができた
開始からかなりの時間を要した。まだこれで喜んではいられない。
2人一緒に長椅子に座って記念撮影をしなくてはならない
次は私の番となった。
屋根へと飛び降りる作業は簡単にこなすようになった
あとは長椅子に飛び降りるだけ
これで夢見ていた長椅子に座ることができる確信した
しかし

先ほど行った着地ポイント確認作戦に弱点があった。
すでに長椅子に座っているキャラからの長椅子への
着地予測地点が見えにくいのであった。
その後も屋根に登っては挑戦を繰り返す
~ 開始から10分後 ~
私「もう無理ッ!!おうち帰る!!秘宝探し行く!!」
これ以上挑戦する事は時間的にも無理と判断し
長椅子に座ることを諦めて帰ろうとした
その時!!
???「諦めたらそこで試合終了ですよ」
私「!?」
その声に振り返るとそこには茶屋親父が立っていた。
長椅子に挑み続ける私をずっと見ていたのである
茶屋親父「おっとこれは失礼。私も昔からこの長椅子に座るために
挑戦した多くの方達を見てきました。この長椅子は諦めない心を
持つ者だけが座ることができます。夢を諦めてはいけません」
私「諦めない心・・・夢を・・」
茶屋親父「そうです さぁ、私にも見せてください!あなたの夢を」

私の中で何かが吹っ切れた
私は力を振り絞り、無言のまま茶屋裏の崖へ向かい
再び長椅子に座る挑戦を再開し始める。
その後何度も飛び降りて失敗しては茶屋裏の崖へとひたすら向かう
私「私の夢!絶対に座ってみせる!諦めない!!」
この夢への想いだけが私をつき動かす
~開始から20分~
何回挑戦したのかすら自分でも分からない
そして、
ついに私は!
ついに!

一同 ( ゜Д゜)・・・・・・・。
茶屋親父「い、今は便利な機能があるんですね ははは・・・」
私「あれだけ頑張った時間はなんだったの・・・時間返して・・・」
時と言うものは残酷である。私の夢は便利な機能で簡単に叶う形となっていた
もうそこには達成感は無く、所在移動機能に気付いた事への脱力感だけだった
そして、私は茶屋親父に見守れながら長椅子の上でログアウトした
【おちまい】
ではまた次回!(*´・ω・)ノシ
ご来店ありがとうございました

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